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2013年11月

日本バンタム級タイトルマッチ 王者・大場浩平×同級9位長谷川雄治


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先程、神戸市立体育館で行われました日本バンタム級タイトルマッチを観戦して参りました。大場選手の試合は、メインイベントの上、判定が多いので、いつも名古屋へ帰るのがぎりぎり最終の新幹線ばかりでしたが、このところ続けてのKO勝ちで、今日もゆっくり名古屋に返って来ることができました。

大場選手は子供ができてモチベーションもかなり上がって、一家の大黒柱の自覚と言いますか、何か胸に期するものが出て来たように思います。

今日の試合前ですが、私はほぼKO勝利を確信していて、事前に何人かのファンと試合の予想を楽しんでいました。私の予想は、長谷川選手が持ち味の力強いパンチでなりふり構わず出てくることろを、大場選手のボディカウンターが炸裂しKOで大場選手の防衛という予想でした。いろいろな人にインタビューしていて最も多かったのは、大場選手にはKOして欲しいんですが、多分、判定勝利でしょう、というものでした。

さて、試合の詳細ですが、1Rは静かな立ち上がりの中、大場選手が放つ左ジャブが長谷川選手の顔面を捉えます。長谷川選手は、始め大場選手のスピードに驚いていた様子でした。それとも、初めてのタイトルマッチに緊張していたのかも知れません。ともかく大場選手のジャブを避けることができず、まともに顔面に受けていました。ついていけていない感じでした。チャンピオンは、多分、1Rの途中でチャレンジャーは組み易しと感じていたように思います。どうしてかと言いますと、大場選手にしては珍しく、随分、リラックスしながら試合を組み立てていましたので、すぐに相手の力量を計ることができたのだろうと思って見ていました。

案の定、1Rの終盤に左フックがタイミングよく決まり、長谷川選手がダウンしました。カウンター気味の左フックでしたが、タイミングがバッチリでした。長谷川選手は立ち上がりましたが、間もなくゴングで1Rは終了しました。

大場選手は相手を良く見ながら、スピーディな攻撃で圧倒したラウンドでした。

2Rは、さすがに挑戦者も緊張がほぐれて来たのか、手数が出始めました。積極的に攻め込みます。しかし、大場選手はここ数試合同様足を止めて打ち合いに挑み、ラウンドの中盤に挑戦者へのワンツーがこれまたタイミング良く決まり、一瞬、長谷川選手の動きが止まりました。この回の始めの手数は、長谷川選手も良かったのですが、大場選手のスピードにやはり対応ができていないようでした。

3Rも長谷川選手は手数を出しますが、大場選手の方が一枚上手でした。このラウンドでは、打ち合いの中で、時折、大場選手は長谷川選手のパンチをもらいましたが、ほとんどはブロックやウィービングで挑戦者有利にまではさせていませんでした。見ていて、攻め込まれて受けたパンチは1発くらいだったと思います。そうこうしている中で、切れの良い右ストレートがヒット。左フックにつなげたパンチが挑戦者に効いたようで、たまらず挑戦者は二度目のダウン。

続く4Rでまた1Rと同じような左フックを浴びせて挑戦者はダウンします。レフェリーが5・6・・・とカウントしていたあたりで、長谷川陣営からグレーのタオルが高くリングに投げ込まれ、大場選手のTKO防衛となりました。

ただ、この試合の中で長谷川選手も挑戦者らしい素晴らしい防御を見せてくれました。おそらく私の勘では、ここ数試合の大場選手の攻め方を研究し、特にアッパーとボディブローをもらわない対策をみっちり練習していたと思います。この対策は見事でした。体を不規則にうまく上下左右にゆすって、大場選手が得意とするボディ、アッパーをことごとくかわしていました。これは、今までの挑戦者には見られなかったものでした。

しかし、今日の大場選手は、そのボディ・アッパーを空振りさせられていながらも、左フックと右ストレートが冴えていました。それだけ今の大場選手は引き出しが多いということが言えると思います。でも、私が観た印象では、技術がアップしたというよりは、久々に天性のボクシング勘がさえわたったもののように感じました。

明らかに、最近、攻撃力やリズムをつかんだはずのボディ・アッパーをまともに当てさせない挑戦者に対し、ひるむことなく隙を見つけては右顔面に左フック、左顔面に右ストレートを打ちこんでいます。

この試合運びは、多分、技術的なものではなく、本能の賜物だとと思います(笑)

そんなこんなで、久しぶりに得体の知れない大場浩平選手のボクシングを十分に堪能させてもらいました。こうなると、いよいよ世界タイトルマッチの挑戦が、現実味を帯びてきそうですね。山下会長のマッチメイクを期待したいところです。

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2013.11.10 WBC世界バンタム級タイトルマッチ 王者山中慎介×同級8位アルベルド・ゲバラ

今日の山中選手もファンの期待に応えて見事にKO勝ちをしてくれました。

ちゃんとした世界ランカー相手に狙ってダウンを奪うことさえ難しいのに、警戒されていたはずの左ストレートでのKO。格の違いが見られた試合でした。

私は試合前、この相手は山中選手がもっとも手こずるタイプの選手じゃないかと思っていました。右のオーソドックススタイルですが、防御感が良く、変則気味で、KO負けが無い、ダウンも一度だけの若手選手。

ゲバラ選手は確かにKO率は少ないんですが、山中選手のようなコンビネーションが多彩というほどではない、左右のワンツーで愚直に攻める選手にとって、当てにくい相手を選んだな、という印象でした。世界の王者なら、そんなことをいわず倒してみろ、という帝拳ジムのプライドでしょうか・・・

案の定、1Rと3Rあたり、結構、相手の距離で戦っていた感じがしました。4R時点の公開採点では山中選手リードでしたが、挑戦者も自分のペースで戦っていたと思います。山中選手がやりにくそうでしたし、挑戦者はいろいろなパンチを打って来て、効いてはいなかったと思いますが、何発かパンチを当てられていたと思いました。時折、山中選手は強引にワンツーを打ち込んでいましたが、距離が合っていなかったため、挑戦者が左を喰うことはほとんどありませんでした。カウンターも、3Rまでは挑戦者の方がヒットさせていたように思います。

4~6Rくらいにかけて、目に見える程、距離が縮まってきましたので、山中選手がもしかしたら捉えそうだなという予感がしてきました。それと同時に挑戦者のフットワークが徐々に鈍くなって、手数も少なく、がぜん山中選手が有利に試合を進めていった気がします。時折、チャンピオンの左も当たりだし、良いペースになってきた8Rにダウンシーンが訪れました。

しかし、不思議なことにスローで見てみれば当たっていないパンチで倒れていて、どういうことなのか、しばらく考えてしまいました。

強打者が打ちこむパンチが相手の頭や顎をかすめて効いてしまうということは、今までも何度か見たことがあります。昔、シュガーレイレナードとトーマスハーンズの試合で、一瞬、シュガーが放った大ぶりのフックがほんの少しトーマスの顔面をかすっただけで、ダウン寸前になったシーンなどが象徴的です。

でも、この山中選手のパンチはチャレンジャーのどこにもヒットしていないし、かすってもいない、もしかしたらパンチの影響で頭が揺れて効いた状態になったのかと、スローで確認しましたが、そんな様子もありません。実に不思議なダウンでした。

しかし、そのゴング間際のダウンを奪った左ストレートや9RのKOに導いたパンチなどは申し分ありませんでした。まさにゴッドハンドでしたね・・・

山中選手は文字通りバンタムでは敵なしの最強で、しかもレベルに差がありすぎると感じました。もし、バンタム級で良い勝負をするとすれば、アンセルモ・モレノ選手以外にいないでしょう。ぜひ、この勢いでラスベガスなどの世界舞台へ羽ばたいてほしいものです。

ただ、ネットのニュースを見ていて残念なコメントが挑戦者から聞かれています。

http://www.nikkansports.com/battle/news/f-bt-tp0-20131110-1216524.html

何でも、試合で使用したシューズが合わなくて、中盤以降、足の裏の皮が破れて血まみれの状態だったとのこと。なるほど、そう思えば8Rの当たっていないパンチでのダウンシーンやその後のフラフラしたスリップダウンにも納得できます。

しかしこれも含めて負けは負けですし、こんなことで力が発揮できなかったとすれば、この選手は世界チャンピオンになれないと思います。また、ファンにためにもっと万全を尽くすべきで、少なくともボクシングファンは最高のレベルの試合を、野球やサッカーのようにそうそう頻繁に見られるわけではなく、その意味では試合をとてもワクワクしながら待っていて、待ちに待った試合を観ていることを忘れないでほしいと思います。

そうであったとしても、山中選手の今日の試合のインパクトがいささかも薄れるものではないことは、もちろん言うまでもありません。

来年あたり、ビッグマッチをぜひ期待したいものです。おめでとう!山中選手!

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