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2014年1月

2013.12.31 WBA世界Sフェザー級タイトルマッチ 王者内山高志×同級4位金子大樹(横浜光)

え~、大晦日の世界タイトルマッチ、取りはこの人・内山高志選手ですね~しかし、この大晦日の世界チャンピオンは三人とも力量があり、見ごたえ抜群ですので、一日に同時に行うのはもったいない気がしています。

もう少し、一試合一試合の余韻に浸りたいですね(笑)

さて、この試合ですが、戦前の予想通り、金子選手の健闘が光りました。私の周りでは、もしかしたら番狂わせもある、と予想がありました。それ程、金子選手は素晴らしい挑戦者でしたね。

何よりも打たれ強かったです。そしてスタミナもあります。長いリーチを生かして、相手の距離になかなかさせないディフェンス技術もあり、スピードもあります。そして、度胸も。挑戦者らしくあのKOダイナマイトのチャンピオンに対して向かっていく姿勢が試合を盛り上げました。

内山選手が前回の防衛戦で見せた左わき腹へのボディーフックには、右肘でガードするなど十分な対策が練られていたようでした。そこを見逃さず、肘が下がったところを何度も上に左フックを合わせてパンチ決めていた内山選手もさすがです。おそらくですが、金子選手は内山選手のパンチの威力を感じていたと思います。そうでなかったら、もっと果敢に攻めていたでしょう。

唯一、10ラウンドに金子選手の大チャンスがありました。ダウンを奪った右ストレートはスピーディで内山選手には見えなかったのではないでしょうか。その前に左のパンチがヒットし、内山選手が一瞬反応が遅れた隙を見逃さなかった右ストレート。試合前に、チャンスは一度来る、その時に仕留めるようなコメントがありましたが、まさにこの瞬間がそうでした。千載一遇のチャンス。10ラウンドにこのパンチが打てるというのは、スタミナ十分な証拠ですね。おそらく日本レベルの選手でしたら、このままKO負けとなるでしょう。

しかし、内山選手は百戦錬磨。このピンチを笑って凌ぐ当たり、相手にとっても脅威ですね(笑)内山選手の王者としての経験と余裕が、金子選手の良さを消してしまった感じがありました。

更に内山選手がハイレベルなチャンピオンを証明したのは、その最大のピンチであったはずの11ラウンドでした。ここで決めなければ勝利はないと踏んだ挑戦者が、積極的に出かけたところを、すかさず罠にかけたように自分のボクシングで反撃しました。それまでのラウンド以上に、見事に相手との距離を合わせてダイナマイトパンチを打ち込みます。さすがの金子選手もこれでダウンかと思いきや、粘りました。気持ちと体の強さがありますね。両者に男の意地がぶつかり合い、大変、見ごたえがあるラウンドでした。

最終ラウンドも内山選手のペースで進み、結局、金子選手の右ストレートを単発で受けた4ラウンドとダウンした10ラウンド以外は、綺麗に内山選手が取って、チャンピオンの8度目の防衛となりました。

私は、この金子選手は将来、世界チャンピオンになる器だと思います。

ただ、今の内山選手とですと再戦しても又負けると思います。それまで、自分の間合いでの試合運びが、内山選手相手にはほとんどできていなかったからです。もし、11ラウンド、12ラウンドにような自分の間合いで攻め始めると、とたんに内山選手の餌食になり、今度は早い回でKOされてしまうかも知れません。この辺りの試合運びを工夫し、練習を積んで行けば、挑戦者は若いですし、伸び白が多いにありますので、いつか世界チャンピオンに輝くと思います。

負けてあっぱれの金子選手。判定ながら見事に8度目の防衛を果たした内山選手。ともに素晴らしい試合でした。ありがとうございました。

ところで、テレビ東京のアナウンサーが、やたら内山選手と三浦選手の統一戦をけしかけていたのが気になりましたが、本当のボクシングファンはそれを期待しているのでしょうか?ちょっとデータを知りたい気がします。

というのも、正直、私はこの統一戦を今は観たくないんですね。この王者のまま、二人とも海外へ出て行って、ビッグマッチをする方がワクワクするんですが・・・・

そして、目の肥えた本場のファンに認められてからでも、良いのではないでしょうか?本当にファンは二人の統一戦を望んでいるかなあ・・・

さて、今年も日本人のボクシングの試合を中心に、言いたい放題、アップも気まぐれという無責任なブログですが、皆さんと一緒にボクシングを純粋に楽しみたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い致します。

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2013.12.31 世界Sフェザー級タイトルマッチ 王者三浦隆司×同級2位ダンテ・ハルドン(メキシコ)

この試合も三浦選手のプレッシャー勝ち、すなわちそれだけ三浦選手の左パンチ力に破壊力があり、自他共にその威力に疑いがなかったということだと思います。

それにしてもチャンピオン三浦選手の左パンチは相当驚異的ですね。これさえ一発当たれば、いつでも形勢を変えることができる、確信に満ちたパンチだということでしょう。

しかも、ストレートのみならず、フック、アッパー、ボディも含め上下に多彩に内分けられて、すべてに威力がある、魅力的なパンチです。

失礼ながら、三浦選手にはあまり技術的に飛びぬけた印象はないのですが、体を振って防衛する技術は、試合をする度に上がって来ているのではないでしょうか。強打の挑戦者でっしたがまともにパンチを受けていないと思います。しかし、このクラスで世界チャンピオンになるためにはそれだけでは不十分で、やはり何か超一流のものがないと難しい・・・。三浦選手のそれは、パンチ力とプレッシャーの掛け方が超一流で、もうひとつ言えば打たれ強さもあるということじゃないでしょうか。

いくらパンチにパワーがあったとしても、当たらなければ宝の持ち腐れです。当てる前に当てられて効いてしまうと万事休すです。

そして当てるために必要な技術は幾種類もあると思いますが、その中の一つがこのプレッシャーの掛け方じゃないでしょうか。これがうまいかうまくないかで、パンチの適格性に大きな変動がある気がします。

前回のメキシコ・カンクンでの初防衛戦での解説で、帝拳ジムの浜田剛氏が三浦選手を表して、一発当たればこうなりますね(相手が倒れる)と話していたことが印象的です。

後、多分、左を生かすために、相当右フックを練習してきた様子がうかがえます。時折、まともにヒットしていましたね、あれが左だったら一発KOって感じですが、右も結構威力がありそうでした。あれほど、右フックを的確に決めた試合も早々なかったのではないでしょうか。挑戦者も左一本を警戒していたせいか右のフックを何度も被弾し、最終的にはダメージの蓄積からKO負けにつながったということだと思います。右は注意不足だったのではないでしょうか。

こんな試合を観ていると国内だけでタイトルマッチを行うのはもったいないくらいな気がします。世界の舞台に出て行って名だたる強豪と戦っても、そうそう負けない強いチャンピオンになりつつあるのではないでしょうか。見ていて頼もしい限りの三浦選手だと思います。

KO防衛、おめでとうございます!これからも益々の活躍を期待しています。

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2013.12.31WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ 王者井岡一翔×同級3位フェリックス・アルバラード(ニカラグア)

このブログにご訪問下さる皆様、新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

今回の井岡選手の対戦相手はKO率80%を超える無敗の挑戦者でした。以前、タイトルを獲った時も無敗の選手を相手にKO勝ちしていますが、まずはそういった強い相手を世界戦で選ぶ、その勇気を称えたいですね。無敗というのはそれなりに理由がある訳で、ましてやKO率が高いというのは、その上に更にKOパンチがあるということに他なりません。

試合内容ですが、やはり挑戦者は自分のパンチ力に自信があるようで、序盤からアグレッシブにパンチを振り回してきましたね。解説者の内藤大助氏も時折漏らしていましたが、恐いな~、という感じでした。

見るからにKOパンチです。しかも手数が多くて、これは強敵だな、と思いました。それでも井岡選手はひるまずに、果敢に向かって行く姿勢が感じられました。何と言いますか・・・パンチ力と手数では挑戦者が上回っており、チャンピオンのパンチが的確だったとしても押し切られてしまいそうな展開でした。

それでもチャンピオンが素晴らしいのは、そういった試合の流れとは別に自身の組み立てが頭にあったようで、実に落ち着いた試合運びだったように思います。相手のパンチを届かない距離まで逃げて避けるというのではなく、自分のパンチが届く範囲で避けていて、万が一まともにくらってしまったなら一気にピンチの陥る、という場所で戦っている、その技術と勇気に感動しました。

挑戦者のパンチ力には若干劣りますが、チャンピオンのパンチは的確なのと、角度が素晴らしいので、徐々に効いてくる印象です。それもこれも相手のパンチを恐れずに向かう姿勢が生み出すものだと思います。チャンスをうかがいながら、空いた場所を見逃さず、スピーディに打ち分ける。パンチの強弱も、同じ手から放つダブルのパンチもバラエティで、実に引き出しが多いな、と感心して観ていました。

相手のパンチをかわす防御感も素晴らしく、また意外に打たれ強い感じがしました。アルバラード選手も多彩なパンチで、結構チャンピオンにパンチをヒットさせていたと思いますが、チャンピオンがひるむ場面はほとんどなかったと思います。

回が進むに連れ、むしろ挑戦者が弱り始め、いよいよ井岡選手の組み立て通りの展開のフィナーレが近いように見受けられました。観衆が見ていて感じる選手同士のパワーの差とは別の世界で、じわじわ追い詰めながらチャンスを待ち、虎視眈々と作戦を進めて、気がついた時には、逆に完全な井岡選手のペースになっている感じでした。

改めてチャンピオンの素晴らしさを感じましたが、この試合で井岡選手の特徴らしきものを再発見した気がします。それは、通常、対戦相手との距離のつかみ方は、左ジャブ(左ききなら右ジャブ)で計るものですが、井岡選手は更にもうひとつ、左肩で距離を計っている様子があります。なので、得意とする距離が左ジャブの当たる距離だけではなく、もっと近距離になっても左肩を使い相手との距離を自分の得意な距離にしている、すなわち何通りかの自分の得意な距離を持つことができるのではないかと感じました。

気がついた方も大勢おられると思いますが、左肩と相手の右ほほが自分の距離に入った時の左フックが実に綺麗で的確なのと、相手のパンチを避ける場合の距離勘からそのように感じますが、実際、どうなんでしょうか・・・

もうひとつは、体の軸が全然ぶれないですね、パンチを打っても防御しても。ですから、すぐに反撃のパンチも何通りも出すことができますし、挑戦者のように大ぶりしてバランスを崩すようなケースはほとんどありません。

この若さで、ここまでの落ち着き、冷静さ、テクニックは、本当にチャンピオンに相応しい選手だと思います。

素晴らしい防衛勝利、おめでとうございました!

・・・付録ですが、ロマゴン選手との対戦はぜひ実現してほしいカードです。パンチ力がずば抜けているロマゴン選手に対して、井岡選手のテクニックがどこまで通じるのか、いろいろな障害はあると思いますが、このカードでしたら例え負けたとしても、敗者の評価は決して下がることはなく、負けて評価が高くなる対戦カードだと思いますが、果たして実現することはあるのでしょうか・・・

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