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2015年1月

2014.12.31WBA世界Sフェザー級タイトルマッチ 王者・内山高志×同級8位イスラエル・ペレス

2014年の年末のおおとりは、やっぱりこの人・内山高志選手でした。

1年振りとなる試合でしたが、不安を感じさせず、報道によりますとハードパンチのゆえに痛めていた右拳もほぼ癒されたそうで、長期休養はいろんな意味で良かったと思います。

この日の内山選手は、基本通りの左ジャブがとても良かったですね。リードの左ジャブがあれだけたくさん相手を捉えると、攻撃がしやすいと思います。昔、左が世界を制すと良く言われていましたが、今でもその通りだということを証明したような試合でした。
リードのジャブが必要なのは、何よりも自分の距離で戦う事ができるので、次のパンチを繰り出すと当たる確率がグンと上がります。しかも試合のペースを握りやすい。反対の立場から見れば相手のリードのジャブを簡単に食らったり、グローブでカバーしてるだけではいけないということですね。距離とペースをつかませないという点で、とても大切な左ジャブという訳です。

同日行われたリゴンドー選手がこの点でとても長けていると思います。

さて、内山選手はこの試合で、基本のジャブを丁寧に多様しつつ、攻撃面ではいろいろ試しながらやっている印象でした。井岡選手と言い、内山選手と言い、かなり試合運びに余裕があるなと思いました。

ペレス選手も挑戦者らしく、手数を多く繰り出し、勇敢に内山選手に向かっていましたが、いかんせんパンチ力に違いがありすぎました。最初から、強烈な力に圧倒されているようでした。今までに経験したことのないようなパンチ力だったのではないでしょうか。ジャブをまともに食らって、蛇ににらまれたカエルのような場面が何度もありました。

内山選手は、相手の右ストレートに対して、タイミングを測る右カウンターや、ガードの外側からねじ込んで当てる右フック、接近戦での左ボディブローなど、まるで練習をしているかのようでした。貫禄のあるチャンピオンですね。

唯一気になったのは、ディフェンス時のグローブに位置ですね、今までの防衛戦と比較すると少し相手との距離が近い気がしました。先ほどあげた、フック気味の右やボディブローを意識して近づいていたのかも知れませんが、これらを試していたとすればたいしたものだと思います。
ペレス選手もカウンターを始め、左ボディや内山選手の左にかぶせた左フックなど、いろいろ研究していた成果もあったように思いますが、あまりの破壊力に戦意喪失したみたいですね。

それにしてもボクシングにおけるパンチの破壊力は、とてつもなく大きな魅力です。

この年末は井上選手と内山選手の見事なKOが、いかにも王者らしい何よりも光ったタイトルマッチだったと思います。

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2014.12.31 WBA/WBOスーパーバンタム級タイトルマッチ 王者リゴンドー×天笠尚(山上)

まさかのリゴンドーが来日でしたね。

本当に実現するとは思いませんでした。
なんだかんだ言いながらこればかりはテレビ局のお蔭かも知れません。
私は名古屋に在住していますので、大阪なら近いし会場まで足を運ぼうかと考えましたが、もうひとつの世界戦・内山高志選手も見逃せないなと、今回はあきらめてテレビ観戦致しました。
しかし天笠選手とリゴンドー選手。
誰がどう見てもボクシングの力量差が歴然としていて、ビートたけしが失礼な言い方だけどとか、本人自らももそう話しているように、1%の可能性を信じて戦いに挑む天笠選手の、まずは勇気をたたえたいと思います。ボクシングの魅力は何よりも戦う勇気だと思います。

テレビ局がこのボクシングの世界戦を放映する構成が、スポーツのバラエティの中の一角でしたので、おそらくボクシングファン以外の方々も御覧になっているはずで、そんな中、リゴンドーがあまりにも一方的に天笠選手を打ちのめし、あっという間に試合が終わってしまい、ボクシングなんて所詮こんなもの、と思われてしまうのが気の小さい私の最悪のシナリオでした。

しかし思いのほか、天笠選手がリラックスしていたので、こちらが驚きました。一方のリゴンドーも天笠選手の背が高いのでちょっと勝手が違う感じでしたね。1ラウンドが無難に終わって少し安心しました。

さすがにリゴンドーはこのやりにくそうな天笠選手に対してボディーからスピードのあるジャブ・ワンツーなど、レベルの高さを伺わせます。天笠選手は、当初相打ちの作戦と話していましたが、繰り出すパンチを華麗なステップやダッキングでいとも簡単に外してしまい、やはり天笠選手ではこの相手には難しいなと思わせる序盤でした。あのドネアでさえ手を焼いてまともにパンチを浴びせられなかったリゴンドーです。役者が違うかな、というのが正直な感想でした。

その後も天笠選手は、多分、得意なんでしょう、右のカウンター・ストレートを狙っているようでしたが、足早に逃げられてパンチが当たりません。リゴンドーは余裕があって、ステップを使わない時は、天笠選手のジャブを軽くパーリングしていたり、試合を楽しんでいるようでした。

後、妙にリゴンドー選手が紳士的だったのには驚きましたね。クリンチの離れ際に汚いパンチで相手をKOしたり、ちょっとずるがしこく正々堂々と戦わない印象をもっていましたが、この試合のリゴンドー選手は余裕があったのか、なかなか紳士的でした。

リゴンドー選手は、ガードの高い天笠選手に対してちょっと攻めあぐねている感じもありました。いくら相打ち狙いでも、さすがにリゴンドーのパンチをまともに食らってしまっては試合にならないので、このガードを高く保っていたのは良かったと思います。しかし、それでもちょっとした隙間を良く狙って、スピーディに踏み込んで空いた場所へパンチを入れ、相手が打ってきた時にはもういない・・・。時に天笠選手の左ジャブに対し、左ジャブを返す・・・相手にジャブを当てさせず、決して主導権を渡さない上に、攻め手をたくさんもっている、このチャンピオン・リゴンドーは実にうまいなと改めて関心して見ていました。

先に展開を有利に運んだのは、やはりリゴンドー選手でした。天笠選手のガードが高いとみるや、両手のガードの下側からアッパーカットをすごいスピードでねじ込んで来ました。これにはさすがに天笠選手も対応できていませんでしたね。ここから一気にたたみかけるパンチ。天笠選手はこれで終わりかと思いましたが、意外や意外、持ちこたえてステップしながら、まだまだ大丈夫だと自らアピールしていましたが、これには会場も大いに湧いていたようでした。

しかし、こんな絵にかいたような劣勢の試合の中盤に思わぬ天笠選手のパンチが炸裂しました。解説者もパンチの打ち方が奇麗なものではなく上半身と下半身がバラバラでしたけど、と言っていましたが、これこそ最後の1%に賭ける執念だったのだと思います。天笠選手の自分の後ろに回り込んだリゴンドーに対し、半分体をよじりながら放った、しかし、この時の天笠選手のパンチ、実に正確にリゴンドーの顎を捕えました!

お見事!

私、ぼんやり見ていたのですが、急に目が覚めてきました!(笑)
天笠陣営の会長が、天笠選手は当て勘が良いと話していましたが、そんな良さの出た場面ではなかったでしょうか。二度目のダウンも奪って、今世紀最大の番狂わせがやって来そうな展開になりました。
すごい!これぞボクシング何が起こるか分からないぞ!とワクワクして見ていました。

リゴンドー選手も完全に効いていて、足取りがおぼつかず、後一発を急所に決めていたら、というラウンドでした。実に惜しかったです・・・・


次のラウンド以降も天笠選手が手数を出して行けば、かなり奇跡が起きそうでしたが、多分、減量の影響ではないでしょうか、スタミナ切れという感じでしたね。
その後はリゴンドー選手が回復して、天笠選手のスタミナ切れを読み切って正面からワンツーで天笠選手はダウン。良く立ち上がりましたが、もう燃料切れの天笠選手には戦うエネルギーはありませんでした。

それにしても例え99%勝てそうにないくらい強い相手でも、威力のあるパンチを一つ打ちこめば、勝敗がひっくりかえるかも知れないという、ボクシングならではの面白さを伝えてくれた試合でした。

正直、天笠選手にはあまり期待していませんでしたが、リゴンドー相手に良い試合を見せてくれたと思います。本当にお疲れ様でした。

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2014.12.31 井岡一翔×ジャン・ピエロ・ペレス(元WBAフライ級暫定王者)

大みそかの試合にもかかわらず世界タイトルマッチではなくて、井岡選手にとっては少々物足りない試合だったかも知れませんが、昨日の村田選手のように、世界戦ではないためにかえって色々なことを試すことができた試合ではなかったでしょうか。

世界戦ほど気持ちの乗り方が高ぶってはいない印象でしたが、結果的にフライ級でしかも元暫定王者相手にKO勝ち。内容もまずまずだったと思います。
まず良かったのは、コンビネーションからのボディブローですね。相変わらず形が奇麗で体重が乗った良いパンチだと思います。
相手のペレス選手も元暫定王者というだけあって、なかなかテクニカルなうまい選手でした。特に左のパンチの使い方が上手で、序盤、井岡選手のパンチの打ち終わりを必ず狙っていて簡単に試合の主導権を渡しませんでした。また井岡選手の得意の左ボディに対し左フックや、左ジャブに左アッパーのカウンターを合わせ、時には左フックに右フックを打ってみたり、非常に脅威を感じさせます。このペレス選手の左のパンチは、お手本とも言えるものではないでしょうか。一方、ディフェンスも抜群で、身体を上下にダッキングしたり、サークくリングでまともにパンチを当てさせないあたり、さすがだなと思いました。
今の井岡選手にとっては、相手にとって不足なし、といった感じです。

そのペレス選手に対し、井岡選手も打ち終わりを狙っていて、どちらもアグレッシブでありかつ基本に忠実なボクシングで見ごたえがありました。
この試合で井岡選手の良かったところは、左のパンチが多彩なペレス選手に対し、右のガードを常に高く保っていたところだと思います。そしてバックステップも良かったですね。打ち終わりを狙われているので、パンチの当たらない場所へすぐに移動するスピードもありました。
この攻撃と守りの非常にバランスのとれたペレス選手に、最後はそれまでに出していなかった左ボディーブローからボディへ意識をさせた後、フェイント気味に放なった右顔面へのストレートが見事に決まりKOになりました。
この難敵に、体重を上げて来たこのクラスでお見事なKO勝ちだったと思います。次回の世界戦が楽しみになりました。
井岡選手お疲れ様でした。3階級、4階級制覇を目指してがんばって欲しいと思います。

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